「退屈だ」
星の海を一人漂いながら、女神様は呟きます。
途方もない時間の中…
数多の世界の誕生と終焉を見届けてきた女神様。
生まれた時から全てを知っている。
実現不可能な事など一つもない。
最初こそ楽しかった。
けれど…すっかり飽きてしまいました。
もういいと思ってしまいました。
だから、女神様は終わる事を選びました。
自身の死はすなわち全てを道連れにする事。
そう分かっていながらも。
女神様は力の源である宝石を半分に砕きます。
それは綺麗に色が分かれた二色の宝石でした。
(これで楽になれる)
そう思った時。
割れた宝石から、新しい女神様が生まれたのです。
青の宝石からは、混沌を好む水の女神様。
緑の宝石からは、秩序を好む風の女神様。
新たな神話の始まりを前に、
女神様は消えゆく中…少しだけ後悔します。
ああ、残念。
面白いものが見られたかもしれないのに。